茨城空港に初勲章 アジアで最も低コスト

豪州の独立系シンクタンク、CAPA(本部・シドニー)は20日夜、アジア太平洋地域(中東含む)にある空港の中で、格安航空会社(LCC)にとって運航経費が安い今年の最も優れた「ローコスト(低経費)空港」として、茨城空港(小美玉市)を選出したことを発表した。昨年3月に開港した同空港にとって初の勲章になる。東日本大震災の影響も含め、“2年目のジンクス”に苦しむ同空港だが、国際的な評価を得た朗報に、県は「新たな航空路線の誘致に弾みがつく」と喜びを隠さない。
 県空港対策課によると、CAPAはアジア太平洋地域の航空業界で毎年、最も優れた空港や航空会社を表彰。日本の空港では2005(平成17)年に「新空港」部門の中部国際空港に続く2例目の受賞になる。
 茨城空港が今年の「ローコスト空港」に選ばれた理由は、茨城-上海間の片道最安値が4千円と話題を集めた春秋航空(中国・上海市)などLCCが利用しやすい比較的低価格の発着料金を導入したほか、空港の場所も東京都心から100キロ圏内で「価値があるアクセスポイント」(CAPA)という点が評価された。
 また、3月の震災で同空港ターミナルビル天井の化粧板が落下するなどの被害を受けたにもかかわらず、けが人もなく、震災3日後には航空便の運航を再開し「LCCに実に優れたサービスを提供し続けた」(CAPA)という点も評価されたという。
 CAPAの「ローコスト空港」部門は2006(平成18)年に創設され、これまでに、ジェットスター(豪州)やエアアジア(マレーシア)などのLCCが発着し、日本人の利用も多いゴールドコースト空港(豪州)などが選ばれている。茨城空港も今回の受賞で、アジア太平洋地域でのLCC対応空港として“一流”のお墨付きを得た形だ。
 シンガポールでの表彰式に20日夜、出席した橋本昌知事は「LCCにいち早く着目し、コストを抑える工夫を重ねてきた。我々の目指すものが評価され、感慨深い」とコメントした。

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