草津温泉「湯長」を廃止へ 町長「医師法違反の可能性」

 草津温泉群馬県草津町)の湯治文化の象徴で知られる時間湯。

 町は来年度に湯治客へ入浴法を指導する湯長を廃止する方針を30日、明らかにした。黒岩信忠町長は「湯長が湯治客の健康状態などを把握するために行う『問診』が、医師法などに違反する可能性が高い」などと説明する。関係者からは戸惑いの声も聞かれる。

 時間湯は地蔵の湯と千代の湯の2カ所で行われている。湯長は代々継承した安全への知識や湯治技術を生かして、高温で強酸性の泉質を利用してリハビリや体質改善に湯もみ、かけ湯、一斉入湯を指導する。

 湯長は指定管理者の草津観光公社の臨時職員。町は指定管理契約が満了となる来年3月末で契約を打ち切る考えという。町長によると、有料の時間湯を無料にし、「事故のないように多くの人に入ってもらいたい」と話す。6月の町議会で経緯を説明する。

 草津温泉時間湯保存会の中沢敬会長は「法律に抵触するとの町長の見解は一理あるが、時間湯は温泉文化の伝統でもある。今後、法律に触れないように伝統を維持するための方法を模索していきたい」と話している。

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