仙台市太白区の名取川渓流にある「すだれ滝」の流れ口に30年以上とどまっていた「落ちそうで落ちない岩」が、ついに落ちた。
市秋保大滝植物園の職員が25日朝、約5メートル下流に移動しているのを見つけた。落ちた場所も岩棚の先端。植物園は「滝つぼに没しないよう静かに見守りたい」と話す。
落ちない岩は目測で直径約150センチ。23~24日にかけて一時的に激しく降った雨で川の水量が増し、流されたとみられる。植物園責任者の佐藤紀美子さん(53)は「6月以降、岩が見えなくなるぐらい水かさが増した日があり、岩の角度が少しずつ下流側に傾いていた」と証言する。
新聞やテレビで紹介されたことをきっかけに最近は、落ちない岩を間近に確認できる植物園への来園者が増加。地元の観光関係者もPRを検討する矢先だった。
植物園は近く、落ちない岩が流された経緯を園内に掲示するという。佐藤さんは「この先、いつ流されてなくなるか分からないが、引き続き温かく見守ってもらえるとうれしい」と話す。