江戸時代後期の浮世絵師、葛飾北斎の肉筆画で、100年余り所在不明だった「隅田川両岸景色図巻」が見つかったと東京都墨田区が4日、発表した。
北斎研究の第一人者で、鑑定を担当した同区芸術専門員の永田生慈さんは「制作年や発注者が判明しており、北斎の作品では非常に珍しい。陰影を用いた独特の風景描写も従来の北斎作品になく、大変興味深い。色彩や表具の保存状態もすばらしい」としている。
墨田区は近く、寄付金約1億4900万円を使って購入し、来秋開館する「すみだ北斎美術館」で一般公開する予定。
図巻は1805年、北斎が46歳ごろの作品とみられる。