御嶽山(長野県、岐阜県)の噴火被害が拡大する中、県は山形との県境に位置する蔵王山(蔵王連峰)について、現状では決まっていない入山規制の在り方など有事の態勢整備を急いでいる。県は山形側に、両県の担当者らによる「勉強会」の設立を打診中だ。
両県は「蔵王山火山防災マップ」を2002年に作成。土石流の氾濫や噴石、降灰など予想される被害の範囲、避難場所を地図上に示した。
しかし「作成から10年以上が経過した上、入山規制の仕方まで踏み込んでいなかった」(宮城県危機対策課)ため、宮城側から今月17日、山形県に勉強会設置を提案していた。
両県は将来的に「火山防災協議会」を設立する方向で検討している。協議会では仙台管区気象台をはじめ山麓の白石、山形、上山、蔵王、七ケ宿、川崎各市町などとともに新たな防災マップをつくり、入山規制の在り方やその周知方法などを決める予定だ。
ただ、東北地方整備局が被害想定などを盛り込んだ「緊急減災対策砂防計画」をまだ示していないことから、現時点では詳細な対応策は決められない。
このため協議会の前段階となる「勉強会」をまず設置しておき、各役所の担当者らが事前の打ち合わせを進めておきたい考えだ。