地上デジタル放送への移行後、販売不振が続いている薄型テレビ市場で、フルハイビジョンの約4倍の解像度を持つ最新の「4Kテレビ」が健闘している。
調査会社のGfKジャパン(東京都中野区)によると、今年上期(1~6月)の薄型テレビ市場は、販売台数が前年同期比33%減の320万台と落ち込む一方、平均販売価格は5万6500円と同13%も上昇した。
デジタル放送移行時の買い替え特需の反動減の影響が続いているものの、高額だが、大画面で高精細の映像を楽しめる4Kテレビの好調な売れ行きが平均価格を大きく押し上げた。
ソニーが6月に発売した4K対応の液晶テレビ「ブラビアX9200A」は、「今まで表現しきれなかった繊細な色や人肌のみずみずしい質感も描き出す」と好評で、シャープや東芝も相次いで4K対応の新製品を市場投入している。
50インチ以上の薄型テレビ販売に占める4Kテレビの数量構成比は、今年1月の1%未満から6月には7%まで拡大しており、GfKジャパンでは「特設売り場の設置や製品説明会の強化など、各社による4Kテレビの訴求策が奏功している」と分析している。