宮城県加美町の薬莱山のふもとで奥田建設(仙台市)が栽培に取り組む「薬莱ワサビ」が、台湾の高級スーパーで1~12日開かれた「宮城県フェア」に出品された。ブランド化を目指した世界発信の第1弾で、同社は「これをきっかけに、アジアを中心に薬莱山の香りを広げたい」と話している。
台湾のスーパー「裕毛屋(ゆうもうや)」で販売されたワサビは、加美町の栽培園で昨年12月に植え付け、8月末に収穫された約5キロ。Sサイズを中心に約130本を持ち込んだ。
鮮度を保つため、ぬれたペーパータオルにくるみ、水を浸した容器に並べて販売した。台湾の買い物客に、すりおろしたワサビの香りと辛味を味わってもらい好評だったという。
価格は1本198台湾ドル(約535円)で、ほぼ完売した。
薬莱ワサビはこれまで、ソウル、香港、シンガポールなどの商談会に出品されてきたが、海外の一般消費者向けに販売したのは今回が初めて。
奥田建設でワサビ事業を担当する瀬尾誠企画部長は「念願だった最初の海外販売が実現できてうれしい。ワサビは肉の味にも合う。薬莱ワサビを欧米にも広げていきたい」と話している。
薬莱ワサビの生産は2005年、同社の異業種参入の一環として、加美町わさび生産組合と連携して始めた。