藤井5冠が頼んだようかん、1カ月待ちに 驚きの王将戦効果 栃木

「第71期ALSOK杯王将戦七番勝負」(毎日新聞社、スポーツニッポン新聞社、日本将棋連盟主催)で、第3局の舞台となった栃木県大田原市が「王将戦効果」にわいている。最年少5冠を達成した藤井聡太新王将(19)が頼んだおやつのようかんに注文が殺到したり、「勝者の記念撮影」スポットの第2弾が計画されたりするなど、市のPRや活性化につながっている。

 対局の2日間を通して藤井新王将が食べた自家製「栗の小倉ようかん」は、会場のホテル花月が旅館時代に出していた客室用のお茶請けで、今は土産物として館内で販売している和菓子。インターネットでメニューが紹介されると話題になり、現在までに600〜700本の注文が入っているという。

 ようかんは田代祐介社長(48)の祖母から受け継いだスタッフが手作りしており、週70本の生産が限度。田代社長は藤井新王将の影響に驚きながら「生産ペースを上げているが、それでも発送できるまで1カ月待ちになる。この時代に古いものが着目されるなんて不思議な感じだ」と話した。

 また、とうがらしの郷(さと)づくり推進協議会が設置した「勝者の記念撮影」スポットも好評だったため、第2弾の開催が決まった。

 「勝者の記念撮影」は対局後に勝った棋士が地元の名所や特産品をPRする姿になって写真を撮る恒例行事。スポット設置はその際に使われたトウガラシ畑の背景セットを活用し、藤井新王将になった気分を味わってもらおうと企画した。市によると、11〜13日の3日間で145組、計311人が利用。「想定の2倍以上の人が訪れた」と関係者もびっくりするほどだった。

 第2弾は18日にトコトコ大田原、19日に道の駅・那須与一の郷、20日に東武宇都宮百貨店大田原店で、いずれも午前10時〜午後4時に開設する。市文化振興課の担当者は「将棋界の頂上決戦と言われるほど注目度が高かったこともあり、反響も大きい。これを機に将棋人口を増やせれば」と期待した。【湯浅聖一】

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