水は美容・健康に欠かせぬもの。だが、御年47歳になるこの女性の水へのこだわりは尋常ではない。「水素水」から始まり「酸素水」。そして、今度は「宝石水」なる珍妙な水へと飛びついた藤原紀香。片岡愛之助(47)と結婚し、梨園の妻となってはや3年経つが、スピリチュアル志向に拍車がかかった!?
今年9月から主演する舞台「サザエさん」の準備に追われているという紀香。梨園の妻との二足の草鞋に、歌舞伎界はさぞ眉を顰(ひそ)めていると思ったら、
「むしろ、よくやっているという声の方が多いです」
と、芸能レポーターの石川敏男氏は語る。
「忙しい合間を縫って、愛之助の地方巡業にもよく同行しています。ロビーでのお客さんへの挨拶もしっかりしていると好評です」
一方では、こんな声も。
「梨園ではしおらしく振舞っているかもしれませんが、ブログでは相変わらず奔放ですよね。あの怪しい水の紹介は、さすがにまずいでしょう」(歌舞伎関係者)
またか、と呆れる読者も多いことだろう。そう、紀香といえば水である。
彼女が最初に執心したのは「水素水」だった。2016年の愛之助との結婚式の引き出物として出された「水素発生器」は芸能界で語り草になっている。水素水ブームが下火になった翌年には、ブログで「酸素水」を愛飲していると紹介。そして、今年5月5日、また新たな水をブログ上で“お披露目”したのだ。その名は「宝石(鉱石)水」。以下、ブログの紹介文である。
〈最近いただいたもので感動したもの!〉
文章の合間には、鉱石が入った美しいガラス瓶の画像が掲載されている。
〈この中にお水を入れると、ますます甘くてまろやか、美味しくなりました〉
〈水が変わるとカラダは中から作り変わる…古くて新しい健康と心と美の方程式〉
と、すっかり心酔した様子だ。販売会社のホームページによれば、この容器に水道水を入れると中の鉱石の波動で水が変質し、水道水に含まれる有害な物質が中和されたり、pH値や酸素量が向上するらしい。
典型的なニセ科学
だが、法政大学元教授で『暮らしのなかのニセ科学』の著者・左巻(さまき)健男氏は、
「紀香さんの感じたことは気のせいでしょうね」
とばっさり斬る。
「衛生上の理由でしょうが、瓶の中の鉱石はガラスで覆われています。だから、中に水を入れても、ごく微量のガラスが溶け出すだけで、鉱石からの影響はまったく受けません。得体の知れないエネルギーとか波動などの言葉で説明しようとする典型的なニセ科学です」
山形大学理学部物質生命化学科の天羽(あもう)優子准教授もこう継ぐ。
「綺麗なガラス容器に入った、ただの水を飲んでいるだけです。気分が高まるというプラシーボ効果はあるかもしれませんが。水素水、酸素水ともに、紀香さんが信じる効能は科学的にエビデンスがないものであり、また彼女のオカルトが始まったと思いました」
気になるのは、紀香と販売会社の関係だ。紀香はブログでショールームの住所まで紹介しており、両者の怪しい関係が窺えるが、販売会社は、
「藤原紀香様はお知り合いの方から弊社商品をプレゼントされたそうで、弊社との金銭のやり取りは一切ございません。ブログを見て、ショールームにお越しくださる方は増えています」
水でカラダに磨きをかけるのも良いが、夫婦仲に水を差さないように。