仙台市青葉区一番町3丁目の地権者でつくる「一番町三丁目おおまち南地区再開発推進協議会」は8日、藤崎本館の建て替えを含む市街地再開発に向け、具体的な計画を作る事業協力者の募集を始めた。市中心部で進む再開発事業で最大となる約1万7000平方メートルに商業・業務・複合交流拠点の整備を目指す大型計画が始動する。
再開発区域は青葉通沿いで、藤崎のファーストタワー館、大町館、一番町館は含まない。区域内はビル約20棟を抱え、地権者は16人。協議会は3月30日に設立され、会長には藤崎の藤〓三郎助社長が就いた。区域内には築50年以上の老朽化した建物が複数あり、2018年8月から再開発に向けた勉強会を開いていた。
事業協力者は単独のゼネコンに限定する。29日に応募を締め切った上で8月20日まで提案書を募り、9月に決定する。拠点整備の具体的な計画を作成した後、施工事業者を改めて募集する。協議会は今後3年をめどに再開発準備組合を設立する予定。
藤崎は1963年、現在の本館の大部分となる鉄筋コンクリートの建物を建設。増改築や耐震工事を実施し、現在は地上8階、地下3階で延べ床面積3万6900平方メートル、売り場面積2万5000平方メートルとなっている。
昨年200周年を迎えた藤崎の2020年2月期の売上高は20年前に比べ12.0%減少。ネット通販の拡大で衣料品を中心に伸び悩み、消費税増税、新型コロナウイルスによる客足減も重なり逆風が続く。
関係者によると、藤崎が単独での建て替えを選択しなかったのは、周辺地域との一体開発で仮店舗などの代替機能を確保し、新店舗建設期間中も営業を続ける狙いがあるとみられる。
藤崎は取材に対し、「事業者選定に差し支えるのでコメントは控える」と明言を避けた。藤〓社長は昨年12月、本館建て替えについて河北新報社の取材に「売り場面積は現在の4館合計約3万2000平方メートルから2万平方メートル規模になるイメージ」と語っている。