「定義さん」として親しまれる仙台市青葉区大倉の西方寺付近で、今月25日に過去最高数の蛍が乱舞する-。定義観光協会などでつくる「大倉四季探検」は、蛍が発光活動を始める時期予想を発表した。幼虫の上陸数や小川の水量などから「昨年以上の飛翔(ひしょう)が期待できる」と太鼓判を押す。
四季探検によると、5月19日に西方寺の脇を流れる小川から、蛍の幼虫が行列を作って川沿いに上がる様子を確認。昨年より数が多く、小川の水量も安定していることや、発光開始の目安となるセミの初鳴きの時期から推計し予想を立てた。
蛍の幼虫は川沿いに上陸後、土の中で約40日間過ごし、さなぎから成虫になる。飛翔と発光のピークは日没から2時間後が目安という。
西方寺付近では昨年、ゲンジボタルやヘイケボタル、ヒメボタルが計約200匹観測された。四季探検は「今年は300匹くらいは期待できる」と分析する。
大倉地区では一時、蛍が姿を消した。30年ほど前、西方寺の僧侶や地域住民らが一体となって小川の清掃をしたり、幼虫を養殖したりして数を増やしてきた。近年、民間気象会社ウェザーニューズ(千葉市)が発表する「東北のほたる名所ランキング」で常に上位に入るようになった。
観光協会の有路輝一会長(56)は「自然の中で幻想的に輝く蛍を見て、『大事なもの』は何かを感じてもらいたい」と話す。
蛍の舞う時期に合わせて「定義ホタルまつり」も7月1日午後6時、西方寺駐車場で開かれる。