衝撃のくだらなさ!「国宝みうらじゅん いやげ物展」開催

 ゆるキャラ、仏像などさまざまなブームの火付け役となり、SPA!の名物連載「グラビアン魂」でもおなじみの、みうらじゅん氏。そのみうら氏のライフワークとも言える「いやげ物」コレクションを一堂に集めた展覧会が開催中だ。
 その名もズバリ「国宝みうらじゅん いやげ物展in TOKYO」(渋谷・パルコミュージアムにて2月3日まで)。念のために説明しておくと、「いやげ物」とは“もらってもうれしくない(むしろ迷惑な)いったい誰が買うんだろうと疑問に思うような土産物”のこと。具体的には、ヤシの実で作った人形、変な掛け軸、ダサい湯呑み、金ピカの城とかタワーの置物……などで、それぞれ「ヤシやん」「ヘンジク」「ユノミン」「金プラ」と命名されている。いずれもみうら氏が数十年にわたって全国各地で収集したもので、見た瞬間、「何じゃこりゃ?」と腰が砕け、「いらねー!」と心底思える逸品(?)ぞろいだ。
「『こんなもん誰が買うんだ? ……オレだ!』という使命感で買ってます。“買わネバー”の精神ですよね」とは、みうら氏の弁。とはいえ、「もうやめよう」と思ったこともあるのでは?
「これはもう趣味じゃなくてクセですから。クセは直らないですよ。値札が取れてるやつをレジに持っていったら何万とかね、高いもの買うのはやっぱりキツいですけど、どこまでカネをドブに捨てられるかの勝負ですよね(笑)」
 旅先でかさばるものを買ったりすると、持って帰るのも大変だと思うのだが、宅配便で送ったりはしないという。「指がちぎれるような重さがいいんです。“スーべニール・ドM”ですから、重ければ重いほど“やった感”がある。途中、『割れたら困るな』とか、すごい心配するんですけど、帰ってきて開けたら『いらないわ、コレ』っていう(笑)。でも、その大事にしてる時間がいいんですよね」って、もはや変態の域に達している。
 今回の展示物は約2000点。それでもコレクション全体の半分ぐらいだそうだが、細かく見ようとすると2~3時間はかかりそうなほどで、くだらなさの物量攻撃に圧倒される。
「でも、ここにあるやつ、ほとんど絶滅危惧種ですからね。日本人も『コレいらないな』ということに気づき始めたんじゃないかな。あと、ゴムヘビなんかは溶けてくっついちゃって、15匹ぐらい失われてるんですよ」
⇒【写真】はコチラ http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=570594
 放っておくとどんどん消えていく「いやげ物」たち。世界遺産にはたぶん登録されないと思うけど、今のうちに見ておいたほうがいいかもしれませんよ。 <取材・文/新保信長 撮影/スギゾー>
●国宝みうらじゅん いやげ物展in TOKYO http://www.parco-art.com/web/museum/exhibition.php?id=619

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