被災乗り越え、仙台新港でビッグイベント 27日にサーフィンWG代表選考会

 仙台市宮城野区のサーフィンポイント「仙台新港」で27日、2024年パリ五輪の予選を兼ねたワールドゲームズ(WG=5月30日開幕・エルサルバドル)の代表選考会となるジャパンオープンが開かれる。五輪出場を目指す国内トップ選手がしのぎを削る高いレベルの大会だ。全国屈指のポイントとして知られる仙台新港は、東日本大震災で大きな被害を受けた。震災から12年余り。被災を乗り越えてのビッグイベントの開催に、地元関係者からは喜びと期待の声が上がる。

 ジャパンオープンは日本サーフィン連盟が主催し、パリ五輪に向けた強化指定選手の男子13人と女子8人が出場する。当日は午前8時から競技を行い、男女の優勝者がWGの出場権を獲得する。

 パリ五輪のサーフィン会場となるタヒチ(フランス領ポリネシア)は、海底の地形の影響で最大約7メートルの高波やトンネル状の波「チューブ」が発生する世界屈指のサーフスポットとして知られる。連盟は特殊な波に順応できる選手を選考しようと、力のある波が押し寄せる仙台新港を会場に選んだ。

 仙台新港でこれだけのハイレベルの大会が開かれるのは初めてという。日の丸を懸けた戦いの舞台に選ばれたことに地元のサーファーたちは喜びや歓迎の声を上げる。

 仙台新港近くでサーフショップ「M-ING」を経営し、昨年度のねんりんピック優勝者でもある高橋誠さん(65)は「日本で一番力強いといわれる新港の波に、トップ選手がどんな乗り方をするのかわくわくする」と期待する。

 震災の際、仙台新港は津波のため砂浜や海底にコンテナや車が漂着し、一時閉鎖となった。サーファーらが協力して砂浜の清掃など復旧活動を手伝い、12年3月にサーフポイントとして復活した。

 仙台近郊のサーフショップ20店舗でつくる仙台サーフショップユニオン会長の熊谷英明さん(57)は「困難を乗り越え、国内トップレベルの大会開催場所に選ばれたことはとても光栄。選手の活躍が楽しみだ」と話す。

 大会の様子は動画投稿サイト「ユーチューブ」でライブ配信され、実行委員会のチャンネルから見ることができる。

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