被災地、全編3D撮影 映画「大津波」来月公開

東日本大震災の被災地を3年半にわたり記録した映画「大津波 3・11 未来への記憶」が3月、仙台、山形両市で公開される。全編、3D(3次元)映像で撮影され、「現場に立ち会ったような臨場感で、あの震災を見つめ直してほしい」と製作者は話している。

製作したのはNHKメディアテクノロジー(東京)。プロデューサーの智片通博さん(65)らが11年4月から、釜石、陸前高田、気仙沼、石巻各市や宮城県 南三陸町などに通い、被災した住民の暮らしと街の変化を記録した。映画の監督は、NHK特集「シルクロード」などを撮った河邑厚徳さん(67)が担当し た。
取材地ごとに一家族の歳月を追い、震災で失われたもの、それぞれの苦闘や再起、古里への思いや復興の現実を、証言と映像で浮き彫りにした。
震災直前の10年秋、一体型で携帯できる3Dカメラが取材現場に登場し、それを駆使した初の震災記録映画だという。
智片さんは東北大出身で、今回も現地で百日以上を過ごした。「震災から間もなく4年。時とともに変わる被災地の風景をリアルに追体験してもらえる。通うことで、人々から初めて語られた言葉とともに、ありのままに伝えたい」と話す。
全国上映が予定され、東北では3月14日から「チネ・ラヴィータ」(仙台市)、21日から「ムービーオンやまがた」(山形市)で公開される。
また、国連防災世界会議のプレ行事として10日、仙台市の東北大・川内萩ホールである「東日本大震災メモリアル」でも特別上映される。連絡先は東北大災害科学国際研究所広報室022(752)2049。

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