被災地でオモシロ不動産 マッチング企画開始

空き家所有者と不動産を探す人とをマッチングさせる新たな取り組みが、東日本大震災の被災地、宮城県石巻市で始まった。ともに地元で地域活性化に携わる一般社団法人「ISHINOMAKI2.0」と合同会社「巻組(まきぐみ)」が「石巻オモシロ不動産大作戦」と名付けて企画。空き物件の有効活用が狙いでプレイベントを既に開催、4月から活動を本格化させる。
市内で20日あった最初のプレイベントには、物件所有者や仕事の作業場などを探す市民ら23人が参加した。
物件を工房などとして分割活用する「シェアアトリエ」を運営する東京の合同会社「まちづくり会社ドラマチック」代表社員の今村ひろゆきさん(34)が、ほとんど空室だった古いビルをブースで区切り、自分たちで自由にリフォームができる条件で貸し出した事例を紹介した。
「お金をかけてリノベーションするのではなく、使っているうちにきれいになる場所をつくろうと思った」と今村さん。作家や彫刻家ら多彩な利用者が集う場が生まれ、「面白い場所ができると面白い人が集まるようになる」と交流効果についても強調した。
イベント参加者が、空き物件や希望物件を話し合う場も設けられ、連絡先を交換するなど参加者同士で親交を深めた。
空き物件の有効活用が進むことで、定住や交流人口の増加も期待できる。巻組代表社員の渡辺享子さん(29)は「場所を探している人が思った以上に多かった。今後もマッチングの場づくりを継続し、石巻の不動産事情を変える一歩にしたい」と語る。
次回のプレイベントは2月16日、シェアオフィス「IRORI石巻」で「新しい大家のカタチ」をテーマに開催。参加費1000円。4月以降は連続講座を開いていく予定。連絡先は巻組0225(24)6919。

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