東日本大震災の被災地で活動する支援者らが、東北の過疎地で課題解決策を学ぶフィールドワーク「東北オープンアカデミー」を展開している。首都圏からも若者らを広く呼び込み、街づくりや起業に携わってもらおうと企画した。
17の民間団体のメンバーが実行委員会を結成。フィールドワークは2泊3日の日程で、高齢者ビジネスや農漁村の活性化といった先行事例に取り組む当事者に話を聞く。2015年は20プログラムに計134人が参加した。
今月3~5日にはバイオマス産業都市を目指す宮城県南三陸町で開催した。県内外の20~40代の6人が生ごみを液肥やエネルギーに換えるバイオガス施設を視察し、液肥を利用する農家に効果や課題を尋ねた。
仙台市の飲食業の役員松野水緒さん(36)は「市内の飲食店と連携してバイオマス事業に乗り出そうとしているので参考になった」と話した。遠野市の農園経営平松浩紀さん(42)は「事業成功のためには多分野から人材を集めることが大切だと感じた」と述べた。
フィールドワークを案内した南三陸町の会社経営山内亮太さん(41)は「参加者は震災ボランティアの経験者が多い。プログラムをきっかけに、被災地で創業するなど関わりを続けてほしい」と語った。
参加希望者は東北オープンアカデミーのホームページから申し込む。参加費は宿泊費込みで5万円。うち1万円はファンドに積み立て、参加者が提案した新規プロジェクトに充てる。