被災地に足運んで 岩手、宮城、福島の伝承団体、オンラインで企業に訴え

東日本大震災の伝承活動の取り組みを企業向けに紹介するオンライン報告会が8日にあり、岩手、宮城、福島3県の3団体が新型コロナウイルス下の活動や震災10年目の課題について説明した。
 石巻市の連携組織3.11メモリアルネットワークが主催。被災地支援や視察を検討する旅行業や製造業などの企業関係者ら約30人が参加した。
 同市の公益社団法人3.11みらいサポートの藤間千尋理事は、語り部が現地を案内する学習プログラムを説明し「修学旅行は少し戻ってきたが、企業関係はまだ戻っていない」と指摘した。
 釜石市の一般社団法人三陸ひとつなぎ自然学校の伊藤聡代表理事は、オンラインならではの遠隔地との交流を紹介。「九州や四国の人とつながれた。コロナに関係なく今後も続けたい」と語った。
 いわき市で伝承活動をする温泉旅館経営里見喜生さんは担い手不足を課題に挙げ、「語り部の育成には実際に案内する機会が必要だ。ぜひ東北に足を運んでほしい」と企業の担当者に呼び掛けた。

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