被災地の海、命再び 水中写真家が仙台作品展

 東日本大震災の被災地の海を撮り続ける水中写真家鍵井靖章さん(43)=神奈川県鎌倉市=の作品展「3.11-あの日から」が25日、仙台市宮城野区二十人町の富士フイルムフォトサロン仙台で始まった。30日まで。入場無料。
 鍵井さんは2011年4月から、宮古市を中心に岩手、宮城両県沿岸部の海底を撮影している。作品展では、同市と宮城県女川町で撮影した21点を展示している。
 車やタイヤ、テレビ、電柱などがある海底には撮影開始当初、生き物はほとんど見られなかった。だが、その後、カニやタコ、ウニ、コンブ、サンゴなどが戻った。
 タイヤに根を張るコンブ群や、津波で幼体を捕食するウニがいなくなったため繁殖したマボヤ、コンブの近くで産み落とされた魚の卵塊など、作品からは新たな命の営みが始まっていることが分かる。
 鍵井さんは「自然はたくましい。時間の経過とともに人工物と自然が一体となり、生き物が戻ってきた。作品には命の輝きと希望を写し込んだ。そこから何かを感じてもらえればいい」と話す。
 26日午後6時からトークショーがある。定員40人。予約制だが空きがあれば当日参加も可能。連絡先は同サロン022(292)0577。

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