被災地の離島で山形大生が海の家「復興形に」

東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県塩釜市の浦戸諸島桂島の海水浴場で、復興支援活動を続ける山形大の学生らが7月下旬から、島民と都市再生機構 (UR)と協力し、海の家「かもめん家(ち)」を営業している。今シーズンが初めての試みで、猛暑が続く中、営業を終える16日まで観光、海水浴客らをも てなす。

店を切り盛りするのは、学生3人と、民宿が被災した経営者夫婦ら島民4人。店舗はプレハブの調理場を取り囲むようにベンチやパラソルを設置した。あなご飯やわかめラーメン、塩釜の藻塩を使った焼きそばなど、地元食材をふんだんに使ったメニューを提供する。
山形大の学生有志らは、震災直後の2011年6月から、桂島でのがれき撤去や観光ツアーの企画に取り組んできた。島では昨年、震災後初めて海開きをした が、開放された砂浜は一部で、海の家も1店舗だけだった。住民らとの話し合いで海の家の構想が浮かび、ことし6月ごろから一緒に開店準備を進めてきた。
桂島で災害公営住宅を建設するURも、コミュニティー支援の一環で店舗の形態やメニュー内容の助言などを行い、後押しした。
桂島区長の内海粂蔵さん(74)は「島の復興が少しずつ形になってきている」と新たな海の家の誕生を喜ぶ。
店舗マネジャーで、支援活動を4年間続けてきた農学部4年の近藤瞳さん(23)は「活動中に無力感を感じたとき、島の人はアドバイスをしたり励ましたりしてくれた。島に還元できるように頑張りたい」と意気込む。

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