被災地巡礼まず53ヵ所 お遍路プロジェクト

東日本大震災で被災した青森、岩手、宮城、福島4県の沿岸部に鎮魂の巡礼路の整備を目指す一般社団法人「東北お遍路プロジェクト」(仙台市)は、巡礼地として選んだ53カ所を発表した。今後も選定作業を続け、新たな巡礼地を随時公表する。

県別にみると、宮城が日和山公園(石巻市)など24カ所、福島が相馬小高神社(南相馬市)など19カ所、岩手は奇跡の一本松(陸前高田市)など9カ所。青森は蕪嶋神社(八戸市)の1カ所が選ばれた。
公募で105カ所の推薦があり、宮城大の宮原育子教授ら有識者4人が「1000年先まで語り継ぎたい物語性がある」といった基準で絞り込んだ。
震災遺構として保存の是非が議論されている宮城県南三陸町の町防災対策庁舎は、保存を望まない住民の感情などに配慮し、選定を見送った。
プロジェクトは、選定先の津波にまつわる物語と共に巡礼地の情報を広く発信する。震災の記憶の風化を防ぎ、被災地の交流人口を増やす狙いもある。
巡礼地は仙台市青葉区で4日夜にあった「東北お遍路フォーラム」で発表された。
プロジェクトの新妻香織共同代表は「今後も選定を進め、10年ぐらいかけて100カ所程度を選びたい。津波の記憶がずっと先までつながることを祈る」と語った。

<選定された巡礼地>
【青森】蕪嶋神社(八戸市)
【岩手】津波慰霊碑(洋野町)▽大鳥居とカエデの木(野田村)▽宝福寺、カルボナードしまのこし駅(田野畑村)▽御蔵山(山田町)▽私設こすもす公園、鵜住居メモリアルパーク(釜石市)▽津波記憶石(大船渡市)▽奇跡の一本松(陸前高田市)
【宮城】早馬神社、紫神社、みちびき地蔵、岩井崎(気仙沼市)▽上野山八幡宮(南三陸町)▽日和山公園、県慶長使節船ミュージアム、普誓寺、西光寺の地 蔵、石巻ハリストス正教会、十八成浜白山神社(石巻市)▽貞観地震の千年石碑と観音寺(東松島市)▽瑞巌寺(松島町)▽同性寺(七ケ浜町)▽末の松山(多 賀城市)▽蒲生干潟、浪分神社(仙台市)▽閖上漁港と日和山(名取市)▽仙台空港(名取、岩沼市)▽貞山運河(石巻~岩沼市)▽わたり温泉鳥の海(亘理 町)▽戸花慈母観世音、中浜小と千年塔、磯崎山公園(山元町)
【福島】龍昌寺、安波津野神社、大戸観音堂(新地町)▽稲荷(いなり)神社、松川 浦、津神社(相馬市)▽相馬小高神社、北萱浜神社、山田神社、御刀神社(南相馬市)▽福島第1原発、熊川海水浴場(大熊町)▽天神岬公園(楢葉町)▽修行 院(広野町)▽アクアマリンパーク、勿来の記憶の広場、塩屋埼灯台と薄磯・豊間海水浴場、道山林、稲荷神社(いわき市)

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