被災地支援芸能人への批判に被災者「よそ者には関係ない」

ニット帽を目深にかぶり、サングラスとマスクで顔を隠している若い男性が手にフライパンを握り、手際よくピラフを作っていく。

「まさか、中居クン…?」

熊本地震から10日が経った4月24日の昼頃、多くの被災者が避難所として使っている長嶺小学校(熊本市東区)の校舎がにわかにざわついた。SMAPの中居正広(43才)が、“お忍び”で炊き出しのボランティアに参加していたからだ。

近隣の住民は、

《おいおいうそだろ長小に中居くんがなんでいるんだよ》
《ありがたいなー、有名人の人が来てくれるとミーハー心で地震への恐怖を一瞬忘れられるよね》

とツイッターに書き込んだ。

関連死を含めた死者数は49人、住宅損壊約1万棟、避難者は8万人以上(4月25日時点)という甚大な被害を出した熊本地震の被災地の支援に、芸能人たちも次々に乗り出している。

熊本出身の高良健吾(28才)は18日の正午過ぎ、避難所になっている高橋小学校(熊本市西区)に姿を見せた。水不足が深刻な被災地のために、知人ととも に2トントラックに給水タンクを積んで訪問。目立たないように黒いパーカに黒いキャップ、マスクをしながら、数日間、現地で給水のボランティアを続けた。

伊勢谷友介(39才)も20日に現地入り。全国から送られてくる支援物資を必要な被災者に配るための「物資配送基地」を設置し、長期的な支援をすると発表した。

自らヘリコプターを操縦したのは美容外科「高須クリニック」の高須克弥院長(71才)だ。20日に被災地に入り、佐賀空港から生活用品やレトルトカレーなどが入った段ボール箱を病院などにピストン輸送で届けたという。

「義 援金」で復興をサポートする動きも広がっている。X JAPANのYoshiki(50才)は1000万円を寄付。山下智久(31才)や篠田麻里子(30才)はバラエティー番組で獲得した賞金100万円を被 災地に送った。24日、女子ゴルフツアー「フジサンケイレディスクラシック」で優勝した大山志保選手(38才)は熊本の高校出身ということもあり、賞金 1440万円を寄付した。

長崎・佐世保に本社がある「ジャパネットたかた」は4月21日、今年1月に社長を退いていた高田 明・元社長(67才)が久しぶりにテレビに登場して、その日の売り上げを全額寄贈。ケタ違いの支援を発表したのは日本財団(笹川陽平会長)で、熊本城再建 の30億円、家屋損壊の見舞金20億円など、計93億円を拠出するとした。

しかし、これらの義援金やボランティアが物議を醸している。中 でも大きな批判が浴びせられたのは紗栄子(29才)だ。21日、熊本県知事宛に500万2000円を寄付したことを報告。紗栄子は《一人でも多くの人が寄 付について改めて考えてくださり行動に移してくれたらとの思いで、批判も覚悟の上、実名での振り込み明細を掲載しました》と説明した。

しかし、ネット上では、

《わざわざSNSに振り込み明細の画像を上げる必要がある?》
《好感度を上げたいのか》

との批判の声が出た。

紗栄子だけではない。地震直後、ブログに《火の国の神様、どうかどうかもうやめてください。お願いします》と書き込んだ藤原紀香(44才)や、ツイッターやインスタグラムで救援物資を公募した浜崎あゆみ(37才)にも「売名行為だ」という声がある。

女性セブンは避難所や車中泊での生活を余儀なくされている被災者に直接、話を聞いた。

「(芸能人の支援は)よかもんはよかもん。嬉しかですよ」(益城町の70代女性)
「(被災地で)コロッケさんに会ったんですよ! そうやって気遣って回ってくれるって本当に嬉しい。熊本の人、誰も売名なんて気にしてないですよ」(阿蘇市の30代女性)
「子供たちが地震でかなり落ち込んだんです。だけど、昨日、中居クンがきとったらしいけど、子供たちは大喜びでしたよ。被災者が芸能人を叩くんだったら筋が通りますけど、よそ者には関係ない。“叩くな、バカヤロウ”って感じです」(東区の40代男性)

これが偽らざる被災者の本音で、今最も耳を傾けるべき意見のはずだ。

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