被災地最大規模 5300人駆け上がれる「避難の丘」仙台・荒浜に整備へ

仙台市は6日、若林区荒浜の防災集団移転跡地に、5300人が駆け上がれる避難場所を整備する方針を明らかにした。東日本大震災の津波被災地などで計画された「避難の丘」で最大規模になる。2018年度にも着工し、20年3月の完成を目指す。
震災遺構の旧荒浜小南西の集団移転跡地に高さ約10メートルの高台を造成し、避難者1人当たり1平方メートルのスペースを確保する。近くの海岸公園にある避難の丘と同様にあずまや、ベンチなどを設置する方向。被災地視察や催事、レジャーの利用も想定している。
市は集団移転跡地を利活用する事業者や利用客計約3000人と、再開が見込まれる深沼海水浴場の海水浴客約3300人の避難場所を検討。旧荒浜小に約1000人が避難できるため、残る約5300人向けの避難場所として今回の整備地を選んだ。
市はまた、震災遺構として残す方針を示していた荒浜地区の住宅基礎の場所を6日までに選定した。鎮魂モニュメント「荒浜記憶の鐘」に隣接する0.4ヘクタールで、18年度に保存工事に着手、19年度に一般公開する。
避難の丘以外の荒浜など5地区計43.5ヘクタールの跡地の利活用に関する応募要領も公表。29の事業者を募る予定で、12月4~8日に事業提案書を受け付け、来年3月に結果を通知する。郡和子市長は6日の定例記者会見で「民間の自由な発想で地域に魅力や価値を生みだしていきたい」と話した。

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