被災宅地、13年度まで復旧 仙台市が「実施計画」を発表

 仙台市は2日、市基本計画と震災復興計画の具現化に向け、2012~15年度の4年間に取り組む302事業を盛り込んだ「実施計画」を発表した。46項目で数値目標を設定。被災宅地の復旧に関しては、13年度までに完了させることを明記した。
 実施計画のうち、復興計画関連は154事業で全体の5割を占める。復興計画の中核となる「100万人の復興プロジェクト」に掲げた事業では、事業進行を明確化するため工程表を作成した。
 津波を防ぐ県道塩釜亘理線と市道のかさ上げは14年度までに着工。災害公営住宅の整備は13年度までに第1期642戸、14年度までに全2800戸を完成させる。
 津波をかぶった農地は13年度までに復旧し、大規模化に向けた圃場整備事業を本格化させる。
 防災力の強化では、指定避難所192カ所への太陽光発電システムを15年度までに導入。12~15年度の誘致企業数を25件以上、企業誘致を除いた新規雇用者を3000人以上実現する目標を立てた。
 基本計画に関しては(1)ミュージアム都市づくり(2)子育て支援(3)地下鉄東西線建設(4)農商工連携-など計148事業を実施する。持続可能な行財政基盤を確立するため、10年3月策定の計画より踏み込んだ行革を徹底するほか、計画の進行管理では、市民協働による評価や点検を行い、実効性を確保する。
 奥山恵美子市長は同日の記者会見で、「具体的な目標や工程表を設け、事業推進の『見える化』を図った。105万市民と共に手を携え、早期復興と未来に希望をつなぐための街づくりを着実に進めたい」と述べた。

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