宮城県名取市は23日、東日本大震災で被災した閖上地区の集団移転事業で、移転元の住民を対象とする被災宅地などの買い取り契約会を始めた。
会場の仙台法務局名取出張所では、訪れた住民が職員と土地の面積や金額などを確認し、契約書に記入した。
閖上の復興計画では、事業区域122ヘクタールのうち貞山堀の東西計65ヘクタールが集団移転対象地で、住民は閖上のかさ上げ地内などに移る。市は事業用地などを除く移転元の土地約32ヘクタールを買い取る。対象地権者は1154人。
買い取り価格は標準で3.3平方メートル当たり9万円程度。閖上2丁目の自宅を津波で失った無職の男性(83)は売買契約を終えて「震災前より価格は下がったが、まずはほっとした。代金は今後の生活資金にしたい」と話した。
契約後、所有権の移転手続きを経て1カ月半から2カ月で代金が支払われる。契約会は8月5日まで行われ、同11日以降も事前予約制で随時受け付ける。連絡先は市復興まちづくり課022(384)2111。