被災水田で栽培、希望のマコモを収穫 山元

東日本大震災の津波で浸水した宮城県山元町花釜地区の水田で、住民グループがイネ科のマコモの試験栽培に取り組んでいる。今月中旬には52本を初収穫した。健康食材として注目されており、関係者は「来年は栽培を拡大し、町の新しい特産品に育てたい」と意気込む。
 グループは「やまもと子どもも大人もみんなで遊び隊」。ことし5月、除塩を終えて営農を再開した被災農地のうち約0.2アールを借り、新潟県から取り寄せた20株を植えた。収穫した52本は重さ約100~500グラムに成長していた。
 事務局長の渡辺修次さん(62)は「手をかけなくても順調に育った。水田の空いている場所で簡単に栽培できると分かった」と成果を語る。
 渡辺さんによると、農地の所有者は10年ほど前から町内でただ一人、マコモを栽培していたという。津波で農地は全滅したが、渡辺さんらは「あの味が忘れられない」と栽培を引き継いだ。
 マコモはくせがなくシャキシャキとした食感が特長。食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富で、中華料理や漬物、天ぷらなどに合う。
 来年は所有者から約10アールを借りて栽培規模を拡大させる予定。渡辺さんは「復興を目指す町の特産品としてアピールしていく。販売ルートに乗るまで生産量を増やしたい」と話す。
 ことしの収穫は11月上旬まで続く。同町の坂元公民館で希望者に無料配布している。連絡先は渡辺さん0223(36)8312。

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