被災海水浴場、再生へ 白浜と十八成浜

 石巻市は、東日本大震災で壊滅的な被害を受けた白浜、十八成浜両地区の整備構想をまとめた。柱は海水浴場で、防潮堤の海寄り側に砂浜を配し、防災集団移転促進事業で住民から買い取った背後地に関連施設を再建。観光資源の再生を図ると同時に、新たに広場を設けるなど集客機能を高め、地域を活性化させる。
 二つの海水浴場は震災前、市内外から多くの観光客が訪れていた。いずれも砂浜が地盤沈下で縮小し、市による海水浴場の開設は休止している。
 白浜の砂浜は徐々に回復しているが、十八成浜は現在も全体が海に沈んだ状態。市は十八成浜について以前の海岸線より最大37メートル内陸に防潮堤を整備し、新たに砂を敷くなどして復活させる。
 関連施設はトイレやシャワー室のほか、駐車場、広場などを設置。白浜はバーベキュー施設を備えた日帰りキャンプ場、十八成浜は民間向けの店舗用地を設ける。
 事業費は計12億5100万円の見込み。15年度から実施設計などを進め、白浜は17~18年度、十八成浜は19年度の開設を目指す。整備完了後は通年利用が可能になることから、市は指定管理による民間の運営を想定している。
 海水浴場の再開で交流人口が増え、周辺の宿泊施設や商店への波及効果が期待される。働く場の確保で、震災後に人口流出が続く地区で定住促進も図る。
 市は「海水浴場の復旧は住民から強い要望があった。海と砂浜の景観を生かして一体的な施設整備を進め、震災前よりも多くの人が集まる場所にしたい」と説明した。

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