被災者つなぐ音楽の力 坂本龍一さん監督・東北ユースオーケストラが合唱団員募集

相次ぐ自然災害の被災者を音楽でつなごうと、東日本大震災を経験した若者でつくる東北ユースオーケストラが10道県の幅広い世代を対象に合唱団員約120人の募集を始めた。ベートーベンの交響曲第9番で「未来への希望を歌おう」と、音楽家坂本龍一さんらは呼び掛けている。
 東北ユースは坂本さんが代表・監督を務め、団員は岩手と宮城、福島の小学4年生から大学生まで100人以上。音楽を通じた復興を目的に結成され、2016年から毎年演奏会を開いている。
 来年3月の第5回は27、28日に東京のサントリーホールと東京芸術劇場、29日に福島市の福島県文化センターで開催。苦難を経てなお生きる喜びを歌う第9を200人以上で演奏、合唱する。坂本さんの新作も初演する。指揮は柳沢寿男さん。
 団員の渡辺真浩さん(20)は「被災の記憶を力に変え、音楽で乗り越えていけるよう頑張りたい」。坂本さんは「第9は日本中に浸透し、人々の統合を象徴するような曲だ。被災された方が置き去りにされていないかが心配で、音楽でなんとか力づけたい」と話す。
 合唱の募集対象は9月1日時点で16~65歳、被災地域に住んでいたか、今も住む人。対象の災害などは次の通り。
 東日本大震災=岩手、宮城、福島の3県▽16年熊本地震=熊本県▽17年7月九州北部豪雨=福岡、大分両県▽18年7月西日本豪雨=岡山、広島、愛媛の3県▽18年北海道胆振地方の地震=同地方
 参加費は3万円で、22歳以下や学生は無料。応募は10月15日締め切り。詳細は東北ユースの公式サイトで。

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