被災者重視 2候補、声の限り 宮城県知事選告示

任期満了に伴う宮城知事選(27日投開票)が10日告示され、いずれも無所属で、3選を目指す現職の村井嘉浩氏(53)、新人で弁護士の佐藤正明氏(65)=共産推薦=の2人が立候補した。東日本大震災後の宮城の将来像をテーマに、2候補はそれぞれの復興に懸ける思いを訴え、繁華街や仮設住宅団地を駆け回った。
<村井候補>
 仙台市青葉区の繁華街で第一声を上げ、選挙カーで市内を遊説。午後は名取、岩沼両市に入った。
 名取市では2カ所で街頭に立った。同市愛島の仮設住宅団地に到着すると、選挙カーから降りて聴衆約60人に駆け寄った。一人一人と両手でがっちりと握手し、「被災者の視点で復興を実現する」と誓った。
 岩沼市では5カ所で演説。被災した臨空工業団地の企業敷地内で、集まった約200人を前に、仙台空港民営化の重要性を強調した。5カ所全てでマイクを握った井口経明市長は「復興に命を懸ける心意気を感じてほしい」と後押しした。
 選挙カーで移動中、沿道から「頑張って」と激励を受ける場面も。「野球で頼りになるのは(東北楽天の)田中将大投手、宮城県政は村井嘉浩」と笑顔で呼び掛けた。
<佐藤候補>
 仙台市青葉区の勾当台公園市民広場前で第一声。「県民や被災者が主人公の県政に切り替える」と力を込めると、約150人の聴衆から大きな拍手が湧いた。
 午前は太白区、午後は若林区の仮設住宅団地を訪れた。若林区の仮設住宅団地では、県が3月で打ち切った被災者を対象にした医療費窓口負担などの減免措置について、「当選したらすぐに再開する」と約束した。強い日差しの中、汗を流しながら住民一人一人と握手を交わした。
 仙台市内で集中的に選挙カーを走らせた。計9カ所で演説し、乳幼児医療費の助成対象年齢引き上げや1次産業支援、女川原発の再稼働反対などを訴えた。夜は個人演説会や支持労組の会合の計3カ所に顔を出し、「今の冷たい県政を必ず転換する」と呼び掛けた。
<知事選立候補者>
村井嘉浩 53 知事  無現(2)
佐藤正明 65 弁護士 無新(共推)

タイトルとURLをコピーしました