被災農地整備事業が始動 岩沼で起工式、宮城県内初着工

 東日本大震災で被災した岩沼市沿岸部で、宮城県が国の復興交付金を活用して取り組む農山漁村地域復興基盤総合整備事業の起工式が17日、同市総合体育館で行われた。震災後に計画決定された同事業の着工は県内で初めて。農地集約などを進め、効率的で収益性の高い地域農業を目指す。
 対象となる農地面積は計577ヘクタール。地盤沈下や津波で甚大な被害を受けた同市の早股、押分、下野郷、寺島地区のほか、名取市の堀内地区も含まれる。事業費78億1800万円で、工期は2015年度まで。
 標準区画1~2ヘクタールを基本に整備するほか、用水路をパイプライン化するなどして生産コスト低減と維持管理労力の軽減を図る。集団移転事業による住宅跡地や介在農地を事業区域に含めて集積・再配置することで土地利用形態を整える。
 農地の約7割を八つの農業生産法人が耕作。稲作を中心に、加工、販売まで見据えた6次産業化にも取り組むという。
 起工式には村井嘉浩知事や谷公一復興副大臣、井口経明岩沼市長らが出席し、くわ入れして着工を祝った。村井知事は「単なる原形復旧でなく、日本のモデルとなるような大区画圃場整備になる」と期待を述べた。
 19日には亘理町で1088ヘクタールの農地を対象とする整備事業の起工式が行われる。

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