被災3県・津波浸水域住民調査 避難開始30分内6割

 東日本大震災の津波で被災した岩手、宮城、福島3県の住民を対象とする内閣府の聞き取り調査で、高台などに避難した人のうち、揺れが収まって30分以内に避難を始めたのは62.4%にとどまることが21日、分かった。内閣府は「震災より短時間で津波が到達すると想定される南海トラフ巨大地震などの対策に生かしたい」としている。
 調査は、3県の沿岸部で津波により浸水した地域に住んでいた1万1400人の回答を分析。地震当日の夕方までに避難した人は79.4%で、「避難しなかった」が14.0%、「避難しようと思ったが、できなかった」が5.5%だった。
 避難した人への質問では、避難開始までにかかった時間は「10分以内」が32.5%、「10分超~30分以内」が29.9%、「30分超」が6.6%、「覚えていない・分からない」が31.0%だった。
 避難の際に車を使った人は52.5%で、徒歩の42.7%を上回った。車を使った理由(複数回答)は「普段から使用」37.4%、「徒歩では間に合わない」35.8%などだった。ただ、車を使用した人の32.6%は「渋滞で困った」と回答している。
 また、避難できなかった人のうち、複数回答で61.7%が「気付いた時には津波が迫っていた」を理由に挙げた。

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