被災3県海水浴場、復活足踏み 復旧工事も影響

東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島各県の海水浴場の復活が進まない。18日から海開きが本格化する今夏、新たな再開予定はない。防潮堤などの復旧工 事が続いていたり、砂浜消失が深刻だったりするためで、それぞれの浜に夏のにぎわいが戻るのは、まだ時間がかかりそうだ。

3県の市町村などによると、この夏に開設される海水浴場は図の通りで、岩手7、宮城5、福島2の計14カ所。13年に再開した月浜(東松島市)は、堤防などの工事で安全確保が難しいと判断して、ことしは見送った。
長須賀(宮城県南三陸町)、鬼ケ浜(塩釜市)は、自治体ではなくボランティアなどが運営する。
このほか、石巻市北上町の白浜海水浴場がおととしと昨年に続き、2日間限定(8月8、9日)で海開きを行う。
震災前、海水浴場は3県に約70カ所あったが、多くで再開のめどが立たない。
約1.5キロの海岸線が続いた釜石市の根浜海岸は、津波や地盤沈下で83万立方メートルの砂が失われた。市は自然再生で360年以上かかると試算。砂を盛るなどして部分的な復旧を検討するが多額の費用が必要で、岩手県や国に財政措置を求める考えだ。
気仙沼市は、宮城県内有数の集客を誇った大谷海水浴場など3カ所が利用できない。市は「緊急避難場所なども未整備。防潮堤などの工事が終わらないと再開は難しく、震災前のリピーターがほかに離れていかないだろうか」と懸念する。
小規模な海水浴場では、地元住民が高台移転して管理できなくなったケースもある。東京電力福島第1原発事故による避難指示区域は、住民が帰還すらできていない。

仙台管区気象台によると、18日からの3連休期間の東北地方は、湿った気流や、台風11号から変わる見通しの低気圧の影響で曇りや雨。最高気温、最低気温ともに平年並みか平年より高くなる見込み。

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