東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興に向けた課題共有を図ろうと、岩手、宮城、福島の被災3県知事や国土交通相らによる懇談会が設置されることになった。3県知事、仙台市長、国交相らが定期的に一堂に会し、現状と課題について議論する。
28日に福島市で初会合があり、2013年に始まった国交省の復興加速化会議を引き継ぐ形で懇談会を設けることを確認した。
達増拓也岩手県知事は三陸沿岸道(約359キロ)など復興インフラを活用した地域産業の振興策を説明。交流人口を拡大する施策を進めながら「防災力向上への貢献を目指す」とした。
村井嘉浩宮城県知事は仙台空港の24時間化や水道3事業の運営権の民間売却など「創造的復興」の事例を挙げ「民間の力を最大化し、行政コストの削減に取り組んでいる」と語った。
福島県は今も原発事故の避難指示区域が散在し、インフラ整備も途上だ。内堀雅雄知事は「福島の復興の道のりは長く、厳しい状況にある」と強調。水素やロボット開発といった新産業の育成を紹介し、継続的な支援を求めた。
郡和子仙台市長は、国連が定めた防災に関する国際行動指針「仙台防災枠組」に触れ「震災の教訓を世界各地の防災減災につなげていく」と意気込んだ。
斉藤鉄夫国交相は同省の「東北圏広域地方計画」の骨子を今夏にまとめると説明し「東北を防災先進圏域として世界に発信していきたい」と述べた。