日本銀行が2日発表した3月の企業短期経済観測調査(短観)は、大企業・製造業の業況判断指数(DI)が「マイナス4」で、前回の昨年12月調査から横ばいだった。マイナスは2四半期連続。原油高や新興国の景気減速が新たな不安材料となり、景気回復の足を引っ張っている。
欧州の政府債務(借金)危機への不安が後退し、為替市場も円安に転じたことから、民間シンクタンクの多くは、大企業・製造業のDIが上向くと予想していた。だが、実際の業績回復には及んでいないとみる企業は多く、景況感は改善しなかった。
短観は3カ月ごとの調査で、今回は2月23日~3月30日に調べた。景気が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を引いたDIが、経営者の景気への見方を表す。