要注意!子どもをダメにする父親の3つの特徴

子どもの学力を伸ばすには、家庭での子どもとの関わり方が重要です。

育児書や受験情報誌では、子どもを伸ばす父(母)親がやっていることについて書かれていることがあります。もちろん、どれもすばらしいものですが、“ふつう”の親にはなかなかできないことが多々あるのが難点。

そこで、これだけは改善したい「子どもをダメにする父親の3つの特徴」を紹介します。

1. 「なぜ?」「どうやって?」に答えられない

脳科学の研究から、父親は論理的な説明、母親は情緒的な説明をすることが、子どもの脳の発達に良いことがわかっています。

ですから、子どもの「なぜ?」「どうやって?」に具体的に答えられないお父さんは、次のことに気をつけましょう。

例えば、子どもとキャッチボールをしているときに、

「しっかり投げなさい」
「ちゃんと投げなきゃダメじゃないか」

と、抽象的に言うよりも、

「相手の胸をめがけて投げるんだよ」
「投げる方向にまっすぐに足を踏み出す」

と、具体的なアドバイスをするよう心がけることです。

一般に、男性は女性よりも体の動きや機械の仕組みなど、構造や仕組みに詳しい傾向にあります。

ですから、スポーツの場合だと、体のどの部分を具体的にどのように動かしたら良いのかを説明することに向いているのです。子どもの側も、その方が具体的でわかりやすいので受け入れやすいわけです。

これはスポーツに限らず、子どもの思考力を養う上でとても重要なことです。例えば、バーベキューや魚釣りといったアウトドアでの活動や、トランプや将棋など頭を使うゲームなどでも。

アウトドアでは、火をおこすのにも“コツ”があり、魚釣りにも“ポイント”があります。トランプには“攻略法”、将棋には“定跡”があります。

この場合、親自身が「できる」か「できない」かは、それほど重要ではありません。

むしろ、「できない」ことでもどうしたら「できる」ようになるかを考えようとする心構え(=マインドセット)の方が重要です。よく知らない場合は、調べたり子どもと一緒になって学んだりしましょう。

どうしたら「できる」ようになるかを考えようとする気持ち(マインドセット)は非認知的能力といって、「やる気」以上に、今、注目されている学力の一つです。いずれにせよ、親が根拠を持って子どもの問いかけに、論理的、かつ具体的に答えられることが重要です。

2. 点数や結果でしか評価しない

一般に男性は、協同よりも競争を好む傾向にあります。競争の結果、勝ち負けがはっきりとしてしまうことが多いので、男性は勝ち負けにこだわる傾向にあります。

ところが、誰だって勝ってばかりいたら気分が良いですが、負けがこんでしまうと気分が悪くなってしまいます。単純に勝ち負けのような“結果”だけを評価することは、子どものやる気をなくさせてしまう可能性があるのです。

このように結果でしか評価しないことは、子どもをダメにする父親の典型的な行動パターンの一つといえます。そんな場合は、次のことに気をつけると良いでしょう。

それは、結果に至るまでの“過程”を考えることです。これはスポーツに限らず、テストやお稽古ごとの発表会などでも同様です。

勝った(良かった)ときには、がんばった過程(努力のようす)をほめてあげ、負けた(悪かった)ときには、何がどういけなかったのかを考えさせる機会とするのです。

特に、ほめる場合は、結果ではなく過程をほめることが重要です。これは心理学の分野では、常識中の常識です。勝ったときだけでなく負けたときも、努力のようすをほめることをお忘れなく。

3. 「すごい」ところが一つもない

子どもは、父親の背中を見て育つものです。子どもから見て「すごい」と思えるところがあることで、子どもの学びを促進します。

そんなこと言われても、「すごい」ところなんて全然ないと思われる方がいるかもしれません。しかし、どんな人にも何か一つくらいは打ち込めるものがある(あった)はずです。

「旅行や出張でいろいろなところに行ったことがある」「高校生のときにバンドを組んでいて、ギターをかじったことがある」など、一見、たいしたことではないと思えることでも、他人から見れば「すごい」ことの場合もあります。

打ち込んだこと、趣味、得意なこと、どんな些細なことでも良いので、他人にはない良さを子どもに示せることが大切なのです。

以上、3つの特徴について紹介してきました。学校や塾よりも、むしろ家庭での子どもとの関わり方こそが子どものやる気や学力形成に最も重要です。どれも“ふつう”の親にできることばかなりなので、早速実践して(お父さんにすすめて)みましょう。
(文:伊藤 敏雄(学習・受験ガイド))

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