仙台ロイヤルパークホテル(仙台市泉区)は見た目はロールケーキで食べるとティラミスの味がする「ロールティラミス」を宮城大の学生と共同製作し、商品化した。現在、世界の料理界で注目されている調理技術と科学を融合させた「分子調理学」によって開発に成功。最新の調理法で生み出された不思議なデザートは、1990年代のティラミスブームを知る世代を中心に人気を博している。
ホテルのシェフパティシエ野田達也さん(42)は昨年6月、同大食産業学群の分子調理サークル「Nuevo!!(ヌーヴォ)」の学生20人の依頼を受け、約2カ月後の大学創立20周年記念パーティーで提供されるデザートの開発に共同で取り掛かった。
分子調理学は料理を味の構成要素などに分解して計算式に起こし、新しい料理を作り出す。世界各国の有名レストランなどがメニュー開発に取り入れている。
野田さんと学生の試行錯誤の結果、ティラミスの味を構成するコーヒークリームとチーズクリームを、コーヒーとココアを混ぜたマーブル模様のスポンジ生地で巻き上げた「ロールティラミス」が完成した。
ホテルで開かれた記念パーティーでは参加者が「ロールケーキと思って食べたらティラミスだった」と驚き、好評だった。予想以上の反応を受け、ホテルはロビーラウンジの「フォンティーヌ」で1月限定で提供することを決めた。
野田さんは「手で持って味わえる新しいティラミスだ。従来のティラミスよりもまろやかな口当たり。40~50代のティラミスブームを体験した世代にぜひ食べてほしい」とPRする。
フォンティーヌでは1カットとコーヒーか紅茶をセットにして1000円で提供している。持ち帰り(1本1500円)も可能。