仙台市は27日、2015年3月の国連防災世界会議や同年開業予定の地下鉄東西線に備え、歩行者案内用に設置している地図や標識などの「サイン」を一新する方針を決めた。国内外からの来訪者が円滑に移動できるよう分かりやすくし、景観との調和や障害者らに配慮する。本年度から段階的に整備する。
市景観総合審議会(会長・涌井史郎東京都市大教授)で、市が示した「歩行者系案内誘導サイン等基本方針」素案が大筋で了承された。素案は中心市街地の道路や広場といった公共用地にある現在のサインについて「地図情報が読み取りにくい」「乱立している所もある」と、改善の必要性を指摘した。
新型サインの具体例として、目的地への方向と距離を記した「矢羽根型サイン」=図(上)=の導入や、複数のサインを集約する案=図(下)=を示した。現在の深緑色が下地の地図は景観に溶け込み、情報が読み取りにくいため、明るいベージュ色に変える方針だ。
ユニバーサルデザインも重視。車いす利用者が見やすい高さへの配置や色覚障害者が判別しやすい色使いを目指す。地図情報には施設名を最多で4カ国語表記し、観光施設などのアイコンも表示する。市は素案に関するパブリックコメント(意見公募)を6月2日~7月1日に実施。8月8日に審議会を開き、同中旬に基本方針を策定する。