◆規制が入った民泊事業で「金の卵」育成
近年、不動産投資マーケットは大きく停滞。銀行から融資が下りづらくなってることや、リスクに合う利回りが見込める物件はそう簡単には見つからないのが現状だ。
そんな状況下でも、驚異的な利回りをたたき出すのは、インターネット広告会社を経営する皆川賢太氏だ。
「私が手がけるのは民泊事業。4、5年前に流行したAirbnbですが、一時は競合が増えすぎて激戦でした。しかし’18年6月に民泊新法が施行され、許認可制になったことで、届け出を出さず営業していた物件はAirbnbのサイトに掲載できなくなり、淘汰が起きた。インバウンドで需要は高まる一方なのに、ライバルが減ったんです。これはチャンスかなと」
◆2か月足らずで初期費用回収。黒字に
皆川氏が手始めにスタートしたのが、新大久保にある間取り1K、家賃7万5000円の物件。昨年の12月から始めたにもかかわらず、2か月足らずで初期費用を回収。黒字化した。
「敷金・礼金や家具を揃えたりと、最初にかかったコストは約50万円。月々にかかるランニングコストは家賃と光熱費、Wi-Fiくらいで10万円弱です。清掃は外注でまかない、費用はお客様からいただくのが慣例なので負担にならない。通常の時期で1泊1万2000円、春節や花見客の多い4月などのハイシーズンは1万6000円ほどで貸し出す予定ですが、稼働率は90%ほど。7万5000円の物件が月に20万円の不労所得をもたらしてくれ、すでに4月まで予約で埋まっている盛況ぶりです」
◆専門家に「任せる」のも重要
働かずして、というのもこの投資法の大きなポイント。皆川氏は清掃だけでなく、顧客とのやりとりまで外注にまかせている。
「どの部屋でも利益が上がるかといえば、それは間違い。立地や内装も重要なポイントです。民泊専門の不動産サイトには民泊可能な物件が掲載され、予想利益も載っていますが、90%以上の物件が実は民泊NGだったり、あるいは赤字になる物件と言われています。そのため、私は部屋の選定からコーディネート、宿泊客とのやり取りまですべてコンサルに任せることにしました。彼に売り上げの10%、Airbnbに手数料3%ほど支払いますが、それでも月に20万円が手に残る。認可の取り方などコツはつかめてきたので、今後はこれを横展開していきたい」
一棟買いや売却益で稼ぐよりも、遥かにローリスクでハイリターンを狙える不動産投資法。検討の余地は大いにアリ、だ。
◆<皆川賢太氏が考えたこと>
売買や賃貸の時代は終わり
インバウンドの大波に乗る
信頼できる専門家を頼る
【皆川賢太氏】
’84年生まれ。本業はECサイト運用や広告業だが、不動産会社も経営するなど幅広く活躍。株式会社LIBERTY
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