観光地の渋滞軽減へ社会実験 松島町内で来月7・8日

 宮城県松島町交通社会実験協議会(会長・大橋健男松島町長)は12月7、8の両日、松島海岸地区の国道45号を通過する車両を他の路線に誘導し、通行を分散させる交通社会実験を実施する。観光地を対象とした実験は県内で初めて。
 対象区間は国道45号のJR松島海岸駅前交差点-松島一小前交差点の約1.2キロ。同区間の通過車両に対し、県道仙台松島線(利府街道)や県道小牛田松島線などへの迂回(うかい)を促し、年間約300万人が訪れる観光地松島の交通渋滞軽減を目指す。
 実施内容は、広報手段として今月25日から国道と三陸道計13カ所の道路情報板に表示、県道仙台松島線などを加えた計17カ所に横断幕を設置した。町ホームページやチラシ、ポスターなどでも情報発信する。
 実験当日は広報巡回車によるアナウンスを実施、松島海岸駅前交差点、愛宕交差点など4地点に誘導員を配置し、迂回路への誘導をする。
 協議会は松島町、国交省仙台河川国道事務所、県仙台土木事務所、塩釜署、県トラック協会などで構成。町建設課では「交通規制ではなく、運転者に呼び掛ける取り組み。安全走行を重視し、より整備された国道を選ぶ考え方もある。あくまでも協力をお願いする形にしたい」と説明する。
 松島海岸を縦断する国道45号は、1日約1万2000台が通行し、観光シーズンには激しい交通渋滞が発生する。町では観光振興計画の中で「ゆっくり歩いて休める空間の施設整備」を掲げており、交通環境の改善が課題となっている。
 実施時間は両日とも午前8時~午後5時。協議会では今後、数年をかけて社会実験を重ね交通量の変化を調査。事業所や観光客へのアンケートも加味して迂回路整備などに反映させる。

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