仙台市を2009年に訪れた観光客は前年比23.1%増の1937万2182人で、調査を始めた1982年以来、最高だったことが、市の調査で分かった。
市観光交流課は大幅増の要因として、2009年3月に始まった土日祝日の高速道路自動料金収受システム(ETC)割引の効果に加え、仙台市内に08年9、10月に相次いで開業したアウトレットモールの通年営業、「仙台・宮城『伊達な旅』キャンペーン」の実施などを挙げた。
過去5年の観光入り込み客数は、ほぼ横ばいの1500万人前後で推移していた。これまでの最多は、NHKの大河ドラマ「独眼竜政宗」が放映された1987年の1609万1200人だった。
一方、観光客のうち、宿泊客数は448万7275人で、前年より3.0%減少、市の目標を50万人以上下回った。同課は「企業の業績悪化で日帰り出張が増えたことに加え、新型インフルエンザの流行や円高が追い打ちを掛けたのではないか」と分析している。
市は今年、前年に続き10~12月に展開する「伊達な旅キャンペーン」を積極的に推進する。大口団体客の獲得にも力を入れ、首都圏の企業が実施する顧客や社員向けの旅行を誘致し、宿泊客の増加を目指す。市は観光客入り込み数の目標は設定していないが、宿泊客数は約510万人を目指す。