LINE社が提供する言論サイト「BLOGOS」(ブロゴス)が5月31日、サービスを終了した。オリジナル記事など一部コンテンツはアーカイブとして残るものの、多くの過去記事は削除され、閲覧できないようになった。運営元のLINEは3月にサービス終了を発表しており「BLOGOSが培ってきたノウハウを、LINEのメディア事業に活かす」としている。
ブロゴスは2009年に「多様な意見を左右の隔たりなく同列に並べること」をモットーに、「提言型ニュースサイト」として運営を開始。政治、経済、社会問題からIT・テクノロジーまで、日本が直面する数多くの問題に関する分析・提言を掲載していた。現職の国会議員のブログ内容を転載するといった手法も採用し、バラエティーに富んだ“ネット言論”の空間をユーザーに提供していた。
ブロゴスの広告掲載料などをまとめた「メディアガイド」(2020年10月~12月期)によると、メイン読者は30~40代のビジネスパーソンで、当時は3500万PVだったという。
だが、ブロゴスはその後、誹謗中傷の増加などを理由に、20年にコメント欄を廃止。その結果、「メディアガイド」(2021年7月~9月期)によると、PVは2000万PVに低下していたという。LINEは終了理由を明らかにしていないが、事業の採算性を重視したためとみられる。
LINEは「12年の間多くのオピニオンを発信するなかで、ニュースサイトとして一定の役割を果たせたのではないか」と指摘。「これまでご愛顧いただきました皆さまに厚く御礼申し上げる」とユーザーに謝意を示している。
ネットメディアを巡っては、「TECHCRUNCH JAPAN」「エンガジェット日本版」がサービスを終了した他、スマートニュースの子会社スローニュース(東京都渋谷区)のノンフィクションの定額課金サービス「SlowNews」、note(東京都港区)が運営するコンテンツ配信サイト「cakes」もそれぞれ提供を終了する方針を示している。