記憶遺産に「命のビザ」推薦=17年登録へ、「上野三碑」も―ユネスコ日本委

国連教育科学文化機関(ユネスコ)の記憶遺産候補に、日本ユネスコ国 内委員会は24日、外交官杉原千畝が発行しナチスドイツの迫害から多くのユダヤ人を救った「命のビザ」の関連資料と、群馬県高崎市にある古代石碑「上野三 碑(こうずけさんぴ)」を推薦すると発表した。来年3月にも政府の推薦書を添え正式に申請。2017年の登録を目指す。

記憶遺産の推薦は1カ国2件まで。国内委には「広島の被爆作家による原爆文学資料」(広島市など)や「伊能忠敬測量記録・地図」(千葉県香取市)など、16件の応募が寄せられていた。

命のビザなどの関連資料は、杉原氏の出身地・岐阜県八百津町が申請。駐リトアニア領事代理だった杉原氏が第2次大戦中にビザを発行したユダヤ人2139人のリストを含む外交文書やパスポート、手記などで構成する。

上野三碑は飛鳥時代から奈良時代初期に建てられた「多胡碑」など高崎市内にある三つの石碑の総称で、地元の登録推進協議会が申請。漢字の伝達など東アジアの文化交流を示す貴重な記録とされた。

選考委員会の島谷弘幸委員長は「2候補は地元に置ける価値だけでなく、それが世界的にどう重要かをうまく説明できていた」と話した。

タイトルとURLをコピーしました