認可保育所に児童を通わせたい理由のトップに料金の安さが挙がる一方、幼稚園に通わせる世帯の経済的負担を軽減する各種助成制度についてはあまり知られていないことが、仙台市が保育所への入所を希望した保護者に実施した意識調査で分かった。
市の認可保育所の定員は本年度当初で496人増の1万1350人となったが、待機児童は依然594人いる。一方で、幼稚園は約6000人分の空きがあり、閉園も相次いでいる。市子供未来局は「助成制度を周知して待機児童を幼稚園に誘導するなど、既存施設を生かす施策を打ち出したい」と話している。
調査結果によると、なぜ認可保育所を希望したかの問いに、33.5%が「保育料の安さ」を挙げた。特に現在の幼稚園利用者、自宅で保育している人、市が認定する「せんだい保育室」の利用者が高い割合を占めた。幼稚園利用者の36.1%は「預かってもらえる時間の長さ」も魅力の一つに挙げた。
認可保育所を申し込む際、幼稚園やせんだい保育室を希望しなかった人にその理由を尋ねると、幼稚園は「3歳未満は預かってもらえない」「預かり時間が短い」「長期の休みがある」の順で多く、保育室は「保育料が高い」が最多で、「保育室のことがよく分からない」との回答もあった。
幼稚園入園料などとして、平均的な世帯の第1子で年間4万3600円支給する「就園奨励費」は71.0%が知らなかった。幼稚園が朝と夕方に子どもを見る「預かり保育制度」は40.6%、せんだい保育室利用者に月1万5000円を支給する市独自の「保育料負担軽減制度」は63.8%が理解していなかった。
調査は8~9月、認可保育所の空きを待つ保護者(幼稚園など既存施設利用者を含む)1151人を対象に郵送方式で実施し、520人から回答があった。