語り部の記憶 伝承を みやぎ防災・減災円卓会議 かほく防災記者3人 活動報告

東日本大震災の教訓の伝承と防災啓発を目指す連携組織「みやぎ防災・減災円卓会議」の2024年度第2回例会が17日、仙台市青葉区の河北新報社であり、対面とオンラインを併用して会員約40人が参加した。宮城県内の中学生が災害と備えを学び、情報発信する「かほく防災記者」(河北新報社主催)の中高生3人が活動を報告した。

 かほく防災記者は21年、震災10年の事業の一環として始まった。21年10人、22年9人、23年15人、24年19人が研修に参加。震災や2019年の台風19号豪雨の被災者の話を聞くほか、家族と自宅の防災対策や避難訓練に取り組み、原稿を河北新報に投稿している。

 1期生で仙台青陵中等教育学校5年の高橋杏奈さん(17)は研修後、民間資格の防災士を取得。震災遺構の視察や記事執筆に継続して取り組んでいる。今後について「学んだことや語り部の記憶を周りの人に伝える。学校の避難訓練を受動的なものから能動的なものに変えたい」と述べた。

 2期、3期と2年連続で研修を受けた秀光中3年大橋もも音さん(14)は、震災発生時1歳で当時の記憶がない。家族に被災体験を聞き、語り部活動を披露した。

 石巻市の自宅は津波に襲われたが、もも音さんは母におんぶされて屋根に登り、難を逃れた。教訓として「過去の地震では自宅に津波が来なかったため、震災のときも安全と判断し、避難しなかった」と、逃げ遅れた背景と経験則のマイナス面について説明した。

 4期生で仙台青陵中等教育学校2年の岩城直太郎

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