17日公表された文化庁の21年度「国語に関する世論調査」では、読めない漢字がある際に、デジタル機器を使って調べるという回答が目立った。一方で、漢字の重要性を認識する人も増えており、同庁では「漢字が日本人に深く根付いていることに加え、デジタル機器の変換機能で簡単に漢字が“書ける”ようになり、使われやすくなっているという一面がある」と分析している。
調査で、読めない字を調べる手段について、複数回答方式で質問したところ、「本の形になっている辞書」という回答は29・6%にとどまった。これに対し、デジタル機器を使う人は多く、「携帯電話の漢字変換」が25・7%、「電子辞書」が12・2%、「ネット上の辞書」が11・1%、「ワープロ、パソコンの漢字変換」が7・0%だった。「調べない」も34・2%いた。
一方、漢字の重要性を認識する人も増加。「日本語に欠くことのできない大切な文字」と回答したのは72・4%で、5年前の平成16年度調査より1・5ポイント増えた。「ワープロなどがあっても漢字学習はやるべき」という回答は4・1ポイント減ったが、それでも52・5%あった。「漢字の使い方に自信がある」は13・1%と4・9ポイント増えたのに対し、「自信がない」は12・6ポイント減り28・7%だった。
漢字へのマイナスイメージは少なく、「日本語の表記を難しくしている」は8・8%、「ワープロなどがあり、書く必要は少なくなる」は7・9%、「覚えるのが大変なので使わない方がよい」は3・3%に過ぎなかった。