地域おこし事業やテレビのクイズ番組などで、「謎解き」ブームがじわじわと広がっている。娯楽の一ジャンルとして定着しつつあり、仙台市で初めて5月にあった大型イベントは親子連れや若者ら約300人の来場者でにぎわった。
参加者が制限時間内に暗号文の解読やクロスワードパズルのような問題を次々に解き進みながら、ゲームの世界からの脱出に挑戦する、というのが謎解きの王道パターン。
人気の高まりを受けて、仙台市のボードゲームサークルなどでつくる実行委員会が5月19日、青葉区のアエルで「東北謎解き&アナログゲームフェア」を開催。同市や大崎市、八戸市など東北各地から約10団体が出展し、アイデアを凝らした自信作をアピールした。
2014年に発足した東北大の学生グループ「return 0;(リターン・ゼロ)」は、参加者が6人一組で60分以内のゲームクリアを目指す3作を披露。メンバーで大学院情報科学研究科修士課程2年の橋本航汰さん(24)は「参加者がゲームのストーリーに浸りながら、終盤で大きな達成感を味わえる内容に仕上げた」と語った。
実行委によると、謎解きはクイズ番組で出題され話題を集めたり、東大生グループが出版した本が大ヒットしたりと、10年ほど前から首都圏を中心に火が付き、全国的にブームが到来しているという。
代表を務め、青葉区でイベントスペース「まなび×あそびカフェ」を運営する西村和敏さん(43)は「謎解きは、知識量を必要とするクイズと違って脳のひらめきで解答でき、子どもも大人も楽しめる。論理的思考を養うこともできる」と魅力を説明する。
実行委は今後も、東北でブームをさらに拡大させる大型イベントを企画していく予定だ。