議会のペーパーレス化、議員の試行錯誤続く タブレット持ち込み可能に<宮城県議会から>

開会中の県議会6月定例会から、各議員は貸し出されたタブレット端末を議場に持ち込めるようになった。議案書など膨大な資料をペーパーレス化する取り組みだが、使う側がどう有効活用するかの試行錯誤は、まだまだ続きそうだ。

 議員向けのパソコンの更新時期だった昨年9月、全議員に新たなタブレット端末とキーボード、マウスの3点が配備された。3月には議場内のパソコン使用に関する申し合わせが見直され、今定例会の本会議は全ての資料がデータ化されることが決まった。

 開会日の14日は不測の事態に備え、議会事務局の職員2人が議場に配置される「厳戒態勢」が敷かれた。端末の不具合はなく、ひとまずハード面の滑り出しは順調と見て取れた。

 一方、端末を扱う議員側には戸惑いも広がる。複数の議員は縦書きの議案書を見やすくしようと、キーボード付きの端末を縦置きにするなど機器の扱いに「奮闘」する様子が見受けられた。

 人工知能(AI)を活用した字幕付きインターネット中継を見たり、県当局のやりとりで不明な言葉があればネット検索したりと、それぞれ活用法を模索しているようだが、「正直、あまり使い道が分からない」(中堅議員)との本音も漏れる。

 同僚の質疑に関する資料をすぐに確認し、その場で論戦の背景を調べられる利点がある。新たなツールの生かし方は多様なはずだ。

 新たな動きに反発するかのように、開会日から端末を持たずに議場に入ったベテランの姿があった。「動きに付いて来られない人は退場願いたい」と若手議員。重い指摘ではある。(報道部・樋渡慎弥)

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