豚熱、野生イノシシで拡大 農水省、飼育豚で再燃警戒

豚熱(CSF)に感染した野生イノシシが今年に入り500頭以上見つかっていることが、農林水産省への取材で25日分かった。4月以降には新潟、神奈川、京都の3府県でも初めて感染を確認。ウイルスを運ぶイノシシが動き回れば飼育豚への感染が再び広がりかねず、農水省は豚への予防ワクチン接種の対象となる「推奨地域」を必要に応じて拡大する方針だ。

 豚熱は平成30年9月に国内で26年ぶりに発生し、中部、関東地方などで広がった。農水省は当初、飼育豚へのワクチン接種は実施せず、養豚場への侵入を防ぐなど野生イノシシ対策を徹底することで蔓延(まんえん)を防ごうとしたが、封じ込めに失敗。このため昨年10月に飼育豚への予防ワクチンの接種を認める方針に転換し、感染リスクに従って推奨地域を指定して順次実施してきた。

 接種済みの養豚場では今年に入り新たな発生はなく、農水省は「昨年と比べてもワクチンで感染を抑えられている」とみている。

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