貧困にも負けず独学で発明品を創り出すアフリカの天才少年に名門MITの技術者たちも驚愕

貧しいながらも独学で工学技術を習得し、廃品を使って自らのラジオ局まで作ってしまったシエラレオネ出身の少年が話題だ。天才とも思える彼の能力は、全米屈指の名門校マサチューセッツ工科大学(MIT)のエンジニアたちをも驚愕させたという。
シエラレオネ共和国は西アフリカに位置する国。1991年から約10年ものあいだ続いた内戦の影響もあり、決して豊かな国とは言えない。そんな環境の中で育ったケルビン・ドウ君(15)は、廃品のなかから集めた金属片や空き瓶などを使って日々の生活に必要なものを作り出す天才発明家だ。
誰かに教わったわけでもなく、学校で電子工学などを学んだわけでもない。発明に必要な部品や材料を買うお金だって持っていない。それでも自らものづくりに関して学び、すでにバッテリーや送信機、発電機などを作り出している。
ケルビンの発明は、週に一度しか電気が通らないという彼の家族が暮らす地域に電力をもたらした。さらに彼は、自らが作った送信機を使って小さなラジオ・ステーションも開設。“DJフォーカス” という名で、人々のためにニュースや音楽を発信しているという。
ケルビン君の才能にいち早く気付いたのが、MITの博士課程で学ぶデビッド・センゲーさんだ。彼自身もシエラレオネ出身であり、自らも参加する非営利目的のプロジェクト “Innovate Salone” で二人は出会った。
弱冠15歳の少年による発明の数々に驚いた彼は、MITが設置する3週間のプログラムに客員研究員としてケルビン君が参加できるよう大学側に依頼した。MITはこれを承諾し、同プログラム史上最年少の研究者が誕生することとなったのだ。
これまで外国に行ったこともなかった少年が、世界でも最高峰の大学で優秀な学生たちと共に学び、彼らを驚愕させた。3週間のあいだに彼は見たことのない世界に触れ、様々な経験を積み、ホームシックも体験した。
家族のために生活設備を整えたいと語る心優しき少年の次なる目標は、「風車を創って人々に電力を供給すること」だという。そして、「MITで学んだことを家族や友人たちに伝え、自国の発展のためにチームとして協力していきたい」とのこと。
15歳にして、才能や行動力だけでなく、周囲への思いやりと将来の目標もしっかりと兼ね備えている。ケルビン君の今後の活躍に期待したい。

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