新型コロナウイルスの感染拡大を防止するための臨時休校の措置は、高校の購買部のパン業者にも大きな影響を与えている。
茨城県土浦市のパン製造会社「栄(さかえ)パン」は4日、同市やつくば市の高校で販売する予定だったパンの価格を通常より30円ほど安い100円で店頭販売したところ、“長蛇の列”ができた。
同社は3日午前9時49分にツイッターで「緊急即売会のお知らせ、販売先の高校売店が全休となり冷凍のパンを大量在庫してしまっています」と告知したところ、3万件ものリツイートがあった。
坂入(さかいり)宏昌社長(46)によると、パンは冷凍で保管しているが、2週間程度で味が落ちてしまう上に、廃棄もできないので、100円での販売に踏み切ったという。
販売開始予定は正午だったが、30分前から行列ができ始めたため、この日、雨だったことも考慮して前倒しで販売を開始。すると、通常130円程度で販売する「塩焼きそばパン」や「チーズケーキ」など約17種計450個が1時間で完売した。
ツイッターで知ったという近くに住む会社員の40代女性は中学2年の娘(14)と訪れた。「少しでもお店に貢献したかった。無事に購入できたので娘とおいしくいただきたい」と話した。
坂入社長は「ツイッターから想像を超えた反応があり驚いた。たくさんの方に来ていただき、購入できなかったお客さまに申し訳ない」と話していた。(谷島英里子)