起業セミナー装い2億円集金 被害者が明かす悪質手口

起業セミナーをかたったマルチ商法の経営者らが捕まった。

特定商取引法違反容疑で14日、福岡県警に逮捕されたのは福岡市のセミナー企画会社「primo」の実質的経営者・久保亮倫容疑者(32)ら5人。「起業家育成プログラム」とうたい、全国約300人のセミナー契約者から計2億円の受講料を受け取っていたが、実際はセミナーを開かず、被害者に契約者を増やす仕事をやらせていたという。県警は詐欺容疑も視野に捜査している。

2年前に被害に遭った福岡市の男性(20代前半)が手口を明かす。

「最初はSNSを通じて知り合った会社の女性とお茶をしたことが始まりでした。何度か会い、『紹介したい人がいる』と言って連れてきたのが、久保容疑者でした。久保容疑者は『もともと大阪市の私立高を卒業し、パチプロをしていたが、結婚を考え、起業して成功した』とサクセスストーリーを熱っぽく語り、当時専門学生だった私は『かっこいい』と思ってしまいました」

男性は120万円のセミナーコースを紹介され、ローンを組んで入会したという。

「実際に入ってみると、なぜか占いの講座ばかり。友達の連絡先リストを書かされたり、SNSを使った勧誘方法のDVDを見せられるようになった。怖くなって逃げましたが、誰にも言い出せず、半年間、バイトをしてローンを返済していた。後に返せと言っても全部無視されました」(被害男性)

こういったセミナー詐欺は都心を中心に増えているというから他人事ではない。

「狙われるのは就活がうまくいかない学生や仕事に悩む新卒の若者。勧誘者はSNSなどでカモを探し、バーベキューやフットサルなどのイベントに誘う。何度か会って“カリスマ”を紹介し、サラリーマンになることがいかに無意味かを説くのです。最近は出会い系アプリなどのハニートラップを使い、客を連れてくる方法がはやっています」(セミナー会社関係者)

子どもを持つ親は注意したい。

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